By Aleksandra O'Donovan, BNEF _______________________________
~従来のディーゼルおよびCNG 燃料のバスに対する電気バスの競争力が浮き彫りに~ 「都市の電気バス:大気浄化とCO2削減に向けて」(世界大都市気候先導グループ(C40)に代わってBNEFが作成したレポートから)
拡大する大気汚染 多くの都市環境において大気汚染に対する懸念が増大しており、住民の健康に直接影響を及ぼしている。内燃機関からの排出ガスが、窒素酸化物や微粒子といった有害汚染物質の主な源泉の一つとなっているためだ。 特にディーゼルエンジンは窒素酸化物の排出量が多いにもかかわらず、まだ世界中のバスの大部分で使用されているため、 世界の都市人口が増え続けている中、持続可能でコスト効率の高い輸送手段を見つけることが一層重要になってきている。 電気バスは、有害な排出物を削減し、都市部全体の大気汚染を改善する最も有望な選択肢の一つで、すでに世界全体で300,000台を上回る電気バスが稼働しており、その大部分を中国が占めている。多くの欧米の都市も、今後10年間、都市バスの電動化に積極的に取り組んでいく。
従来のバスとの総保有コスト(TCO)比較: 電気バスの運営コストはかなり低く、総保有コストでは、すでに従来のバスを下回っている可能性がある。我々がモデルで検証したすべての電気バスのTCOは、年間運行距離の延びによって、ディーゼルバスと比べて大きく改善している。 例えば、最もコストが高い無線充電を使用する110kWhのバッテリーを搭載した電気バスのTCOは、年間運行距離が60,000km(37,000マイル)程度のディーゼルバスと同水準になる。 これはつまり、最小のバッテリーを搭載したバスは、最もコストが高い充電方法を選択した場合でも、1日当りの平均運行距離が170km(106マイル)の中規模の都市での運営コストは安くなるということを意味する。 ただ、運営コストを抑える可能性があるにもかかわらず、電気バスにはまだいくつかの問題がある。それは同等のディーゼルバスと比べて初期費用が高く、大きな障壁の一つとなっている。 これに対処するために、バッテリー・リース、共同調達、バスの共有といった新たなビジネスモデルが出現している。
電気バスに関する予測
2018年のEV販売の見通しには、完全な電気バスに関する予想も含まれており、主な内容は以下の通りである。 1. 2030年までに、全世界の都市バス販売の84%が電気バスになると予想している。この市場では中国が大きくリードしており、2017年には世界全体の99%を占めた。 他の国々もこれに追随し、2040年までに全世界の都市バスの80%が電気バスになる見通し。 2. 2040年までに、全世界での電気バスの運行台数は230万台程度になる見込み。 3. 今後5年間、電気バスへの転換によってガソリンが不要になり、また、バッテリー需要にも影響を及ぼすが、2020年代半ばから普通乗用車クラスのEV市場が拡大し始めると、電気バスは普通乗用車のEVの販売に大きく引き離される。
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